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展覧会の鑑賞や舞台公演の観劇、旅行など、読売新聞が提供するイベント等を紹介、読者の方には優待サービスも。
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大人の部活動。読売新聞が応援!ボランティア活動や各地に、会員でつくる「地位交流会」も結成されています。
「わいず倶楽部」事務局から、イベント、講演会等のご案内のほか、会員向けの情報を発信します。
イベント・特典・プレゼント、耳より情報、最新ニュースをピックアップしてお届けします。
皆さんはエスカレーターに乗るとき、最初の一歩がスムーズに出ず、ちゅうちょして立ち止まってしまうことはありませんか? 慣れていない段差に足を運ぶことは、できるかどうか分からないので誰でも不安になるものです。 ましてや動いているエスカレーターになると、段の上に足を運ぶだけでなく、タイミングを正確に合わせていく作業が必要となります。若い頃に比べて運動能力や動体視力が低下していることを、脳が正しく認識できていないことが要因の一つだと考えられます。今回は、それを克服するため、階段を使った脳のトレーニングをご紹介します。 JR西日本が行った調査では、約3日に1件の頻度でエスカレーターにおける転倒事故が起きていると報告されています。「タイミングが合わなかった」「持ち慣れていない荷物を持っていた」「周りのペースに合わせないと、と焦ってしまった」など様々な理由があると思います。このため、年を取るとエスカレーターを諦めてエレベーターを利用するという傾向もあるようです。 しかし、今の運動能力や動体視力に応じたタイミングの取り方を脳に学習させることで克服できるので、まだ諦めてはいけません。 今回紹介するのは「インターバル1段飛ばし昇降」です。動画にもあるように階段で1段飛ばしをしながら上り下りをするわけですが、ずっと1段飛ばしを続けるとかなり疲れますし、単調過ぎて脳のトレーニングになりません。ですので、通常の階段昇降の合間に1段飛ばしの要素を加えます。これにより、異なる状況の中での足の運び方が脳で学習されるのです。ぜひ日常の階段昇降で挑戦してみてください。 1段飛ばしをすることに「怖い」という感情がある方は、まずは手すりを持ちながらトレーニングすることをお勧めします。様々な段差でトレーニングして、エスカレーターの前で立ち止まらない脳にしていきましょう。 (関西福祉科学大・重森健太教授) 写真=「時々1段飛ばしを取り入れて」と話す重森教授(大阪府柏原市で) <詳しくはfacebookの動画で> ⇒これまでの「脳を鍛える歩き方」はこちらから
わいず倶楽部は、4月7日午後1時から、兵庫県尼崎市のMOVIXあまがさきで、「わいず倶楽部 名作映画鑑賞会」として「砂の器」の上映会を開く。 「砂の器」は松本清張の原作で、1974年に野村芳太郎監督、松竹・橋本プロで製作された。橋本忍と山田洋次が脚本を務め、丹波哲郎や森田健作、加藤剛、緒形拳、島田陽子らが出演した。迷宮入りと思われた殺人事件を捜査する2人の刑事の執念や、暗い過去をもつ天才音楽家の宿命などを描くサスペンス映画。毎日映画コンクール大賞、キネマ旬報賞脚本賞、ゴールデンアロー賞作品賞、モスクワ国際映画祭審査員特別賞などを受賞した。 鑑賞会は、映画を楽しんできたわいず会員たちに、改めて映画館で名作を見る機会に、と企画。松本ナース産業が協賛している。 募集人員は、新型コロナウイルス感染防止のため会場定員の半分の100人。参加費は500円。希望者は15日までに申し込む。 写真=映画の1シーン(「砂の器」ⓒ1974 松竹株式会社/橋本プロダクション) 内容 「砂の器」上映会 日時 4月7日午後1時 MOVIXあまがさき(兵庫県尼崎市) 当選者数 100人(応募多数時は抽選) ※新型コロナウイルス感染防止のため会場定員の半分 参加費 500円 締め切り 3月15日 <同行希望の応募方法> 同行希望の方は、各自のIDでログインして、それぞれで応募したうえ、コメント欄に同行者の会員番号と名前を書いて下さい。 ひと言メッセージもお忘れなく。
わいず倶楽部と読売旅行は、奈良市の歴史的建造物をめぐる日帰りバスツアーを共同で企画し、4月11日に実施する。非公開の旧奈良監獄や世界遺産・薬師寺の東塔特別開扉を見学したり、奈良ホテルで昼食を取ったりする内容で、20人限定で募集する。 午前8時30分にJR大阪駅近くの駐車場を出発。1908年に造られ、明治の五大監獄の一つとされる旧奈良監獄に向かう。受刑者らが積み上げたという美しい赤レンガと、放射状に延びるように配置された収容棟が特徴。「奈良赤レンガフェスティバル2021」の一環で、普段は非公開の内部を特別見学できる。 奈良ホテルは、東京駅などを手がけた辰野金吾の設計。薬師寺では、110年ぶりの解体修理が終わった国宝・東塔の1階にあたる「初層」が特別開扉される。僧侶がツアー用に案内と法話を行う。午後5時40分頃、大阪で解散予定。 参加費は2万6800円。申し込み、問い合わせは読売旅行関西戦略営業課(0120・952・141。土日、祝日を除く午前10時~午後5時)。締め切りは15日。抽選し、当選者に申込書を送る。当選者は改めて予約する。 写真=(左から)赤レンガが特徴の旧奈良監獄の表門(奈良市で)、旧奈良監獄の内部、「奈良赤レンガフェスティバル2021」のロゴマーク 内容 奈良市の歴史的建造物をめぐる日帰りバスツアー 日時 4月11日 午前8時30分にJR大阪駅近くの駐車場を出発 定員 20人 参加費 2万6800円 締め切り 3月15日 (抽選し、当選者に申込書を送る。当選者は改めて予約する) 問い合わせ 読売旅行関西戦略営業課 0120・952・141(土日を除く午前10時〜午後5時) ※ご注意ください! 申し込み、お問い合わせは、わいず倶楽部事務局ではありません ⇒読売旅行のホームページはこちら
コロナ禍の中、新規のゴルファーが増えているようです。「3密」を避けることに加え、大自然を感じながらのびのびとプレーできるゴルフの良さが改めて見直されていることは、うれしい限りです。 安全に楽しくゴルフをする上で、マナーとルールはプレーヤーとしての最低限の心得となります。初心者ほどプレーに時間がかかるのは仕方ないですが、次のショットのために3本ほどのクラブを持参することや、順番が回ってきた人からすぐに打つことなど、プレーのスピードアップを心がけましょう。 「次も一緒に楽しいラウンドをしましょう!」とお互いに言えるような「GOOD GOLFER」になれば、仲間の輪が広がり、ゴルフもレベルアップすること間違いないでしょう。 (日本プロゴルフ協会 A級ティーチングプロ 大東将啓) ◇ Q.昨年後半には今まで経験したことがないほど、スコアが落ちました。それまでは90前後でラウンドできていたのが、100ぐらいになってしまいました。寄る年波のせいで飛距離が落ちたか、パットがハーフで23、24をたたいてしまうからかなどと推測しています。週に1、2回練習場で100球程度、ドライバーからアプローチウェッジまで練習し、筋力低下防止のため、週3回程度、ジムでマシントレーニングやダンス、体幹維持の運動などを行っています。ハンデは16.7です。(70歳代男性) 大東プロの回答 真剣にゴルフに取り組んでおられる姿勢を読み取ることができます。ご自身の状態を客観的に分析してジムに通い、いろいろなトレーニングに打ち込むことは大変すばらしいことだと思います。 ただ、質問内容にないのは、将来の目標設定ではないでしょうか。例えば「80歳でエージシュート(自分の年齢以下の打数でラウンドする)を達成する」としてみれば、どれくらいの期間に何をどのようにすべきか、具体的な手順が見えてくることでしょう。 また、パッティングのデータが悪いですね。ハーフで23、24ということは、1ラウンドで46~48となります。2パット平均の36になれば、パターだけで10ストローク以上を縮めることができます。それには、ラウンドの2時間前にゴルフ場へ行き、練習グリーンでパターの練習を繰り返されることをお勧めします。 カップの周囲半径2メートルに8個のボールを置いてパットをします。1周すると全てのラインが練習でき、同時にカップインの確率が分かります。その練習を10回繰り返せば、80回のパッティング練習となります。今は20回くらいのカップインでしょうか。これが40回近くになれば、1ラウンドのパット数が30を切るようになるでしょう。毎回、記録を付けていけば、単調な練習でも面白くなり、継続することができます。 まずは、ご自身の目標設定とパッティングの練習をお勧めします。 マナー&ルール プレーのスピードアップ編 ▽素振りは1回に ▽ボールの行方を見て目印を見つけておこう ▽次のクラブを3、4本持って行こう ▽準備できた人から打とう ▽次のホールのグリーンサイドにクラブを置こう <詳しくはfacebookの動画で> 写真=「毎回、記録を付けていけば、単調な練習も面白くなります」と話す大東プロ(兵庫県西宮市のよみうりゴルフショートコースで) ◇◇◇ ゴルフについてのお悩み、質問をお寄せください。 (会員ログイン後、入力フォームにご記入ください)
「自粛生活で外に出ることも減り、運動不足が心配だから」という言葉とともに、家内の両親から歩数計が送られてきました。 全国で勤めさせていただいている法話会は、コロナ禍で激減。今年の1月は、寺内でオンラインの収録が2回あっただけで、寺外での法話が全く無いという初めての体験をしました。それ故に原稿書きなどのデスクワークが、必然的に多くなりました。 数年前、仲間とのちょっとした会話から、「お寺の生活は1日何歩か」が話題になり、それを確認するため、携帯電話の歩数計で測ったことがあります。 薬師寺の敷地は4万坪もあります。毎朝5時からの諸堂参拝だけで、およそ2500歩。昼間境内に出て参拝者の対応をすると最低1万歩。多い時には2万歩という日もありました。計測した1週間の1日平均は1万3000歩でした。 しかし、特別な事情が無い限り携帯電話を勤行(ごんぎょう)に持っていくような不遜なことは出来ません。それ以来、歩数を測ったことはありませんでしたが、なんとなく1日1万歩は歩いているだろうと勝手に思い込んでいました。 いただいた歩数計は大変コンパクトなので衣類につけ、その日から欠かさず就寝前に確認していますが、なんと1日平均6000歩程度にしかなっていませんでした。 以前、足の専門医さんと対談をした時、「歩行は食事で言えば主食」と説かれ、まずは歩くことが大切だと教えていただきました。そこで現在は出来るだけ1日1万歩を目指し、夕食後に約1時間の散歩をするようにしています。 確かに動かなくなると、すべてが億劫(おっくう)になり、悪循環になることは私でもわかります。また体重も増えますし、すべてが面倒くさくなってしまいます。「自粛だから動けない」とは言わず、「自粛の間に健康習慣を身につけよう」。そんな時間の使い方も「あり」だと、私は思います。 合掌 (薬師寺執事長 大谷徹奘) 写真=意識して1万歩以上歩くことを目指していると話す大谷執事長(奈良市で) ご感想はこちらから(会員ログイン後、入力フォームにご記入ください) ⇒これまでの「薬師寺 大谷徹奘さん法話」はこちらから
皆さんはいつも同じコースばかりを歩いていませんか?毎回決まったコースを歩くより、どんどん新しいコースを開拓していった方が脳を鍛えることができます。まずはそれを証明する研究を紹介します。 ロンドン大学の研究ですが、ロンドンに住む一般市民とタクシー運転手の海馬を比べると、タクシー運転手の海馬の方が神経細胞の数が多く、30年以上のベテランとなると一般市民より20%も増えていたという報告があります。 ロンドンという街は2万4000以上の道路が網の目のように張り巡らされていて、それを全部覚えるには2年以上かかると言われているほど複雑です。その複雑な街を縦横無尽に走りながら新たなルートを開拓していくという行為が、彼らの海馬を刺激し強化しているのです。 このように、毎日のように新しいことに挑戦する環境は記憶や周囲を正しく認識する「見当識」のトレーニングになり、海馬を鍛えてくれます。家の近所や公園など、ひたすら同じコースを歩くのもタイムを計るうえではわかりやすいのですが、ときには新しいコースを開拓することも大切です。 そこでお勧めしたいのが、ルートマップをつくること。定期的に新しいコースを開拓し、そのたびにコースの詳細を記録していくというやり方です。次の①~④のような手順で行うのがいいでしょう。 ① 目的地だけを決めて自由に歩いてみる。 ② 歩いたコースを後で思い出してノートに記録する。 ③ 地図などでそのコースを調べてルートのイメージを思い描く。 ④ 何度か繰り返し歩いてみて、道沿いのビルやお店など、細部の情報までルートマップに付け加える。 歩いて、思い出して、そして記録する。この繰り返しが、記憶力のいいトレーニングになります。①の段階であらかじめ地図上で新しいルートを計画し、その通りに歩いてみるのもいいでしょう。もしくは同じコースでも反対側から歩いてみるだけでも違いますし、出先に簡単なウォーキンググッズを持参するのも効果的です。いつも同じコースばかり歩くのではなく、積極的にバリエーションをつけていくように心がけましょう。 (関西福祉科学大・重森健太教授) 写真=「新しいコースを開拓して歩きましょう」と話す重森教授(大阪府柏原市で) <詳しくはfacebookの動画で> ⇒これまでの「脳を鍛える歩き方」はこちらから
社会福祉法人「関西いのちの電話」は、傾聴セミナーと電話相談ボランティア説明会「傾聴するということ」を、13日午後1時30分と3月12日午後7時に大阪市中央区のドーンセンター(天満橋会場)で、2月25日午後7時に同市北区の総合生涯学習センター(梅田会場)でそれぞれ開く。 傾聴セミナーについて、天満橋会場は臨床心理士の安田一之さん、梅田会場は淀川キリスト教病院名誉ホスピス長の柏木哲夫さんが講師を務める。説明会では、いのちの電話ボランティア(電話相談員)の養成講座などについて担当者が説明する。 事務局の担当者は「コロナ禍で気持ちや生活などの不安が広がっている。聴くこと、聴いてもらえることの大切さを多くの人に知ってもらいたい。また、これを機会に相談員を志す人が増えてほしい」としている。 参加料500円。定員30人。事前申し込みが必要。問い合わせは同事務局(06・6308・6868)へ。 内容 傾聴セミナーと電話相談ボランティア説明会「傾聴するということ」 日時 ■2月13日午後1時30分 ■3月12日午後7時 大阪市中央区のドーンセンター(天満橋会場) ■2月25日午後7時 大阪市北区の総合生涯学習センター(梅田会場) 参加料 500円 定員 30人(事前申し込みが必要) 問い合わせ 社会福祉法人「関西いのちの電話」事務局(06・6308・6868) ※ご注意ください! 申し込み、お問い合わせは、わいず倶楽部事務局ではありません
⇒わいず絵手紙コンテスト2020下半期募集情報はこちら 2020年上半期佳作=佐藤真純さん(広島県廿日市市)の作品
ゴルフはシニアから始めても、長く楽しめるスポーツです。自分の年齢以下の打数でラウンドする「エージシュート」を1400回以上達成している97歳の植杉乾蔵さんは、85~91歳が最もエージシュートが多かったそうです。止まっているボールを打つゴルフは、素早い反射神経も鋭い動体視力も必須ではなく、自分のタイミングでプレーできます。例えば目が衰えても他の技術でカバーできます。 とは言っても、歳を取ると昔できたことが難しくなることもあるでしょう。この連載では、そうしたお悩みを楽しく上手に乗り越えるヒントをお伝えし、いくつになってもゴルフを楽しめる一助になればと思います。 (日本プロゴルフ協会 A級ティーチングプロ 大東将啓) ◇ Q.70歳になった途端、ドライバーの飛距離が急激に落ちてしまいました。少しでも戻すにはどのような練習をすればいいでしょうか。(70歳代男性) 大東プロの回答 「飛距離が自慢の幼稚園。スコアにこだわる小学生。景色が見えて中学生。マナーに厳しい高校生。歴史が分かって大学生。友、群れ集う卒業式」というスコットランドのゴルフの格言があります。ただ、「学校を卒業した」ようなベテランでも「昔は越えていたバンカーに届かない」「飛ばし屋に置いていかれる」などの悩みは尽きないものです。 飛距離アップの一番の練習は「素振り」です。クラブを上下逆に持ち、インパクト後に風を切る「ビュ」という音が出るようにしましょう。ホースや結び目を付けたタオルの連続素振りも効果的です。「練習はうそをつかない」「継続は力なり」を実践しましょう。 ◇ Q.77歳で何とか80台で回っており、クラブハンデは11(7までいきましたが毎年増加中)ですが、現実では13~15ぐらいだと感じています。先日、ヘッドスピードを測ると、遅くなっており、びっくりしました。なんと34メートル毎秒でした。(77歳男性) 大東プロの回答 77歳でハンデ11とは立派です。エージシュートも目指されるお年だと思います。実は私もヘッドスピードが48から43まで下がってきました。加齢とともに体の柔軟性と筋力が衰えてきたことが原因と思われます。肩甲骨と股関節を中心としたストレッチをお勧めします。ゴルフは不思議なスポーツで、ボールを飛ばそうと意識するほど飛びません。まずはクラブヘッドの芯でヒットすることに集中しましょう。 マナー&ルール グリーン編 ▽ボールマークの修復 ▽カップ周りを傷付けない ▽スパイク跡を直す ▽他人のラインを踏まない ▽他人がパターする時に自分の影がライン上に来ないようにする。 <詳しくはfacebookの動画で> 写真=パターのレッスンを行う大東プロ(手前)=兵庫県西宮市の「よみうりゴルフショートコース」で) ◇◇◇ ゴルフについてのお悩み、質問をお寄せください。 (会員ログイン後、入力フォームにご記入ください)
12年の歳月をかけて行われた国宝・薬師寺東塔の大修理が、多くの方々のお力添えによって完了しました。残念なことにコロナ禍で落慶法要の日時は未定ですが、3月1日より1階にあたる初層の扉を開けて、どなた様にも拝観していただけるよう準備をしています。 1300年の歴史の中で初めてとなる全解体修理は、塔の全体を覆屋(おおいや)で囲って作業するため、金堂正面に安置されていた灯篭(とうろう)は2011年に取り外されていました。しかし、現在は元に復され、光が灯(とも)されています。 実はこの拙文は、再び緊急事態宣言が首都圏の1都3県に発令された直後の1月8日に書いています。疫病は終息の願いとは裏腹に猛威を振るい続けており、唯々(ただただ)右往左往するばかりです。 毎月8日は、薬師様のご縁日。法要を終えるとすぐに退堂して寺務所に戻るのが常なのですが、この日はまるで引き寄せられるように灯篭の前に立っていました。 ご存知の方は少ないと思いますが、灯篭の竿(さお)と呼ばれる柱部分には師匠・高田好胤(こういん)和上の信条である「発菩提心(ほつぼだいしん)荘厳国土(しょうごんこくど)」の言葉が、ご自身の揮毫(きごう)によって遺(のこ)されています。 この言葉は師匠が多くの経文の中から選んで組み合わせたもの。「一人ひとりが清らかな心に目覚め生きるならば、国全体が美しく安穏となる」ことを意味し、「個々の心がけが、そのままに国を形づくるのだ」と、ご教授いただいていました。 疫病の拡大が治まらず、苦しむ人々に対してお伝えする言葉が見つからず、もがいていた私の前に亡き師匠が立たれ、「生き方の基本は教えた筈(はず)だ」と諭されたかのようでした。気づけば灯篭に深々とお辞儀をしていました。 今回は師匠が提唱された言葉を、そのままお取り次ぎいたします。どうぞ、この言葉の意をくみ、今の私たちがどのような生き方をすべきなのかを、深くお考えいただければと思います。 合掌 (薬師寺執事長 大谷徹奘) 写真=久しぶりに安置された灯篭のそばに立って手を合わせる大谷執事長(奈良市の薬師寺で) ご感想はこちらから(会員ログイン後、入力フォームにご記入ください) ⇒これまでの「薬師寺 大谷徹奘さん法話」はこちらから