運動強度キープ、効果大――脳を鍛える歩き方①

2020年05月18日 | 誰でも

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出や様々な活動を控えているわいず会員、シニア世代の皆さんにお届けする寄稿連載の第2弾は、関西福祉科学大教授の重森健太さん(脳トレーニング科学)の紙面講座「脳を鍛える歩き方」です。

 最も身近な運動である歩行を通して、体と頭の健康を向上させましょう(重森さんの講座は随時掲載します)。

◇◇◇

 普段、皆さんはどんな毎日を過ごしていますか?

 1日を振り返りながら、行動を確かめてみてください。

▽移動は電車か車
▽駅では階段を使わずエスカレーターを使う
▽同じ姿勢で長時間座っている
▽近くの買い物でも車で行く
▽家ではテレビを見て過ごす――。

 もし、こんな「動かない毎日」を送っているとしたら、あなたの脳は徐々に退化し始めています。体は脳のスイッチのようなもので、体を動かせばそれだけ脳が活性化されます。逆に動かない毎日を送っていると、脳への刺激が少なくなり、衰えてしまうのです。

 何をするにも便利になった現代では、普通に生活していては体も衰え、脳機能も低下していく一方です。それを防ぐには、自分で機会をつくって意識的に体を動かさなければなりません。そこでお勧めしたいのが、ウォーキング。日々の歩き方を見直してみましょう。

 歩く時、スピードを意識していますか?

 とにかく距離をかせごうと、適当なペースで歩いていませんか。歩いて脳細胞を増やし、脳機能を全体的に高めるためには、適切な基準があります。それは自分にとって適度な速さをキープし続けることです。のんびり歩きや、速すぎる場合は、せっかくの脳への効果が半減してしまいます。

 自分に合った速さを見つけるポイントになるのは「運動強度」です。

 運動指導をする際に、いつも推奨しているのが脈拍測定。日々の運動や活動の強度がどの程度なのかを自覚するにはとても有効で、かつ簡単な手段だからです。

 正しい測定方法を確認しておきます。まず、手首の橈骨(とうこつ)動脈に人差し指、中指、薬指の3本をそろえて軽く当て、1分間の脈拍数をカウントします=図を参照

 脈の正しい測り方が分かったら次は目標設定です。様々な方法の中でもお薦めは「カルボーネン法」。計算式【目標心拍数=(最大心拍数−安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数】で数値を割り出します。ここでは心拍数を脈拍で求めていきます。

 最大心拍数は「(220−年齢)」で計算します。例として、60歳で安静時の脈拍が60拍/分の人が70%の強度で運動したい場合の目標心拍数を算出してみます。最大心拍数は「(220−年齢)」ですから60歳の場合「160拍/分」になります。運動強度は70%ですから、0.7をあてはめると、次のような数値となります。【目標心拍数=(160−60)×0.7+60=130拍/分】

 脂肪燃焼に最も効果的なのは、強度50~70%程度の運動だと言われています。目安としては、運動不足の人は50%の強度、運動習慣のある人は70%の強度で設定すると良いでしょう。

 同じ距離を歩くにしても、スピードの速い遅い、坂道か平坦(へいたん)な道かによって、脳や体が受ける刺激はまったく違います。運動強度を何パーセントに設定するのかで、得られる効果も変わってくるのです。

写真=関西福祉科学大教授の重森健太さん

しげもり・けんた
 1977年生まれ。有酸素運動が脳に与える影響の分析や、認知症の評価に関する研究を続けている。現在、日本早期認知症学会理事。

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