東日本大震災10年 薬草園整備に浄財贈呈――薬師寺・大谷徹奘さん法話

2021年03月22日 | 誰でも

 今年の3月11日は、東日本大震災からちょうど10年になりました。発生から28日目に初めて被災地に入ってから、時間の許す限り岩手・宮城・福島・茨城の被災地を巡り、祈りをささげ続けさせていただいています。

 10年という歳月によって目に見える部分は随分整えられてきましたが、大切な家族を亡くされた方々の心の傷が癒やされることは、決してありません。

 私は人生を懸けて、被災地での祈りを続けると自分に誓っています。現地での慰霊法要にお誘いをすると、多くの方が同行して、祈りをささげてくださいます。また、「被災地には行かれませんが、何かに役立ててください」と、私にお浄財を託される方が数多くおられます。

 今まではその大切なお浄財を、法要時の献花やお供物などに使わせていただいていました。しかし、10年を節目に、被災者だけでなく支援者の皆さんも集い、そこに人の和や笑顔があり、笑い声が聞こえるような、そんな取り組みをされている方に、お届けしたいと念じていました。

 すると、宮城県石巻市雄勝町にある非営利の一般社団法人「雄勝花物語」さんが、10年間かけて育ててきたローズガーデンの隣接地に、薬草園を造る計画があると聞いたのです。薬は人を救います。ましてや薬は、薬師如来そのものです。心が決まり、初めて広く支援をお呼びかけしましたところ、実に多くのお浄財が寄せられ、皆様を代表して贈呈させていただきました。

 雄勝町は震災後ほどなく慰霊に訪れましたが、惨憺(さんたん)たる状態でした。去る3月12日、再び雄勝町を訪れ、薬草園計画地を見学してまいりました。町全体はそこでの哀(かな)しみを全く感じられないほどに整備されていました。

 薬草園の用地には間もなく新しい土が入れられ、苗植えが始まるそうです。どのような薬草園になるのか楽しみで仕方ありません。大きなことは出来ませんが、復興の象徴と言われるその日まで、お手伝いさせていただきたいと願っています。

合掌

《追記》 薬草園開園支援については、私のホームページをご一読ください。

(薬師寺執事長 大谷徹奘)

写真=「雄勝花物語」代表理事の徳水利枝さん(左)から説明を受ける大谷執事長(右)(宮城県石巻市で)=薬師寺提供

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