新コース開拓で記憶力アップ――脳を鍛える歩き方⑨

2021年02月01日 | 連載

 皆さんはいつも同じコースばかりを歩いていませんか?毎回決まったコースを歩くより、どんどん新しいコースを開拓していった方が脳を鍛えることができます。まずはそれを証明する研究を紹介します。

 ロンドン大学の研究ですが、ロンドンに住む一般市民とタクシー運転手の海馬を比べると、タクシー運転手の海馬の方が神経細胞の数が多く、30年以上のベテランとなると一般市民より20%も増えていたという報告があります。

 ロンドンという街は2万4000以上の道路が網の目のように張り巡らされていて、それを全部覚えるには2年以上かかると言われているほど複雑です。その複雑な街を縦横無尽に走りながら新たなルートを開拓していくという行為が、彼らの海馬を刺激し強化しているのです。

 このように、毎日のように新しいことに挑戦する環境は記憶や周囲を正しく認識する「見当識」のトレーニングになり、海馬を鍛えてくれます。家の近所や公園など、ひたすら同じコースを歩くのもタイムを計るうえではわかりやすいのですが、ときには新しいコースを開拓することも大切です。

 そこでお勧めしたいのが、ルートマップをつくること。定期的に新しいコースを開拓し、そのたびにコースの詳細を記録していくというやり方です。次の①~④のような手順で行うのがいいでしょう。

① 目的地だけを決めて自由に歩いてみる。
② 歩いたコースを後で思い出してノートに記録する。
③ 地図などでそのコースを調べてルートのイメージを思い描く。
④ 何度か繰り返し歩いてみて、道沿いのビルやお店など、細部の情報までルートマップに付け加える。

 歩いて、思い出して、そして記録する。この繰り返しが、記憶力のいいトレーニングになります。①の段階であらかじめ地図上で新しいルートを計画し、その通りに歩いてみるのもいいでしょう。もしくは同じコースでも反対側から歩いてみるだけでも違いますし、出先に簡単なウォーキンググッズを持参するのも効果的です。いつも同じコースばかり歩くのではなく、積極的にバリエーションをつけていくように心がけましょう。

(関西福祉科学大・重森健太教授)

写真=「新しいコースを開拓して歩きましょう」と話す重森教授(大阪府柏原市で)

<詳しくはfacebookの動画で>

⇒これまでの「脳を鍛える歩き方」はこちらから

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