活動報告
自分のテンポを見つけて、音楽に合わせペースを保つ――脳を鍛える歩き方⑬
これまでに、脈拍を意識したウォーキングを勧めましたが、リズムよく歩くことは難しいですよね。今回は、音楽でウォーキングのリズムを作る方法についてお伝えしたいと思います。音楽のテンポ(BPM)に合わせて一定のペースで歩くことが出来れば、確実に脳に良いペースのウォーキングとなります。
BPMとは1分間に刻むビートの数を数値で示したもので、その曲の速さを表します。ウォーキングの際には、このBPMの数値と、自分が1分間に歩く歩数を合わせるのが理想的なペースとなります。
例えば、自分のウォーキングリズムが1分間あたり116歩(片足58歩)なら、116BPMに近いテンポの曲を選ぶと良いのです。科学的にも、エクササイズに効果的な音楽の調査が行われており、ニューヨーク・タイムズが報告したエクササイズタイプ別の最適なBPMは、ウォーキングで115~118、ジョギングでは137~139、ランニングは147~160となっています。
ちなみに、シドニーオリンピックで金メダルを獲得したQちゃんこと高橋尚子さんは、ジョギングで185、レースでは210ぐらいのBPMで走っていたそうです。このように、テンポは能力によって違うので注意が必要です。
ウォーキングの場合でも、慣れている人もいれば運動不足気味の人もいるので、自分に合うテンポの曲は人それぞれ異なります。どの曲が自分にあったテンポなのか知っておくことも大切ですね。
参考までにいくつか紹介しておきます。115BPM「亜麻色の髪の乙女」(島谷ひとみ)、116BPM「モンキー・マジック」(ゴダイゴ)、117BPM「世界中の誰よりきっと」(中山美穂&WANDS)というように、1BPM増えるだけでもテンポが速くなります。
歩くリズムと音楽のリズムを合わせると、音楽が正確なペースメーカー、頼れるサポート役となってくれることは間違いありません。ただし、音楽はあくまでもペースメーカーです。くれぐれも音楽に集中しすぎて周りへの注意が散漫にならないよう気をつけてくださいね。
(関西福祉科学大・重森健太教授)
写真=「テンポに合わせて歩けば脳に良い」と話す重森教授(大阪府柏原市で)
<詳しくはfacebookの動画で>
⇒これまでの「脳を鍛える歩き方」はこちらから