運動強度70%を意識して習慣化を――脳を鍛える歩き方・最終回

2021年09月27日 | 脳を鍛える歩き方

 「脳を鍛える歩き方」は今回で最終回となります。15回にわたりご愛読いただき、ありがとうございました。最後は総集編とし、これまでのポイントを整理したいと思います。

 脳を鍛えるうえで最も重要なポイントは「運動強度」の設定です。脳の血流を活性化させる適度な運動強度は70%程度ですが、脈拍を測定することでそれを意識できます。詳しくは連載第1回の記事(2020年5月18日)をご覧ください。

 早歩きをすると効率よく脳血流を高めることができますが、「歩くと膝や腰が痛い」「転びそうで大股の早歩きができない」など、70%の運動強度で歩くことが難しい方もいると思います。

 そのような場合、「タオルをぎゅっと握って歩く」、「ペットボトルなどを重りとして持って歩く」、「杖(つえ)を両手でつきながら歩く」など、心臓に近い筋肉を使いながら歩けば、脈拍を効率よく高めることができます。運動強度を意識して歩くことで、脳の血流を活性化させ、特に海馬を鍛えることにつながります。

 また、これまでに前頭葉を効果的に鍛える方法として「デュアルタスク・トレーニング」を紹介してきました。「デュアルタスク」とは、二つのことを同時に行う「ながら作業」のことです。連載では、じゃんけんやしりとり、数字を使ったトレーニング方法を紹介していますので、ウォーキングの合間に取り入れていただければと思います。ただし、このトレーニングは集中力をとても使います。公園などの安全な場所で行ってください。

 このように、歩行を習慣にしていくことで脳を効果的に鍛えることができます。最初は難しいと思いますが、週に3日、1日30分の運動習慣を身に付けることを目標に頑張ってください。運動習慣がない方は、週に1日、1日15分からでも大丈夫です。

 また、生活の中でも、車で買い物をしている方は自転車に変えてみたり、エレベーターを使っている方は階段を使ってみたりと、運動量を増やすことも大切です。一気に運動量を増やすと長続きしないので、少しずつ運動習慣を身に付けていただければと思います。

 次回からは「フレイルに負けない」と題して、フレイル(加齢により心や体が衰えた状態)を予防するための知識やトレーニングを紹介します。フレイルに負けない体づくりにつながるよう、たくさんの情報を提供しますので、引き続きよろしくお願いいたします。

(関西福祉科学大・重森健太教授)

写真=「歩くことを習慣にしていくことで脳を効果的に鍛えることができます」と話す重森教授(大阪府柏原市で)

<詳しくはfacebookの動画で>

⇒以前の記事は、こちらから読むことができます。

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