薬師寺で自分に出会う②

2017年06月27日 | TOPICS

 

■食堂という小宇宙に立つ

「食堂」って、普通は「しょくどう」と読んでしまいますよね。
だからでしょう。薬師寺がお参りの人のために「しょくどう」を建てた、と考えてしまうんですね。
「何人までいけますか」
「何が食べられるのですか」
そんな電話が、かかってくるんです

 薬師寺の大谷徹奘(てつじょう)執事がそう語って、参加者の笑いを誘います。今回の特別拝観は、法話から写経まで、大谷執事にお世話になりました。

 「食堂」は、平安時代の火災などで2度にわたって失せ、2015年から再興の工事を進めてきました。東西41メートル、南北16メートル、高さは14メートル。大谷執事によると、柱の木材の中には鉄筋を入れ、強度を確保するとともに、その数を減らし、空間を広くとったそうです。キャパシティーは400人から500人程度。今後は、バンケットホールのように活用し、会議や音楽会などを催していくといいます。

本尊の「阿弥陀三尊浄土図」(6メートル四方)と、その背後の仏教伝来の様子を描いた14面の壁画(全長50メートル)は、いずれも日本画家の田渕俊夫さんが5年かけて完成させた作品です。大谷執事がエピソードを語ってくれました。

 絵描きさんが5年間、ほかに絵を描かないってことは、生活ができなくなるってことなんです。田渕先生も迷って、奥さんに相談したそうです。そしたら奥さんがすごいんだね。「家を売ればいいじゃない」って。びっくりします。普通、言えませんね。

 この壁画は、中国から日本に仏教が伝来する、その様子です。船が出発し、瀬戸内海を渡り、大和川を上がってきて、奈良のまちに着く。大和の風景があって、最後は平城京です。

 本尊は金襴と輝き、幻想的で落ち着いた色彩の仏教伝来の図はそれを讃えているかのように見えてきます。建築家の伊東豊雄さんによる内部のデザインと相まって、一つの小宇宙に立ったような感覚を与えてくれます。わいず倶楽部のメンバーもちょっと圧倒されたかのような表情で、食堂を巡っていました。

薬師寺で自分に出会う③

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